地域猫活動
20年の地域猫活動の現場から
「エサをやるな!」「猫がかわいそう!」そんなトラブルがあちこちで起こっていますが、対立ではいつまでたっても解決はできません。餌やり禁止はノラ猫問題の根本的な解決にならないのです。
尼崎市内のある公園は、地域猫活動で、「猫がいてもきれいな公園」を実現しています。猫のフンどころかゴミひとつ見当たりません。季節の花々がきれいで、清潔な砂場で、子供たちは安心して遊んでいます。
20年前、この公園は猫だらけゴミだらけでした。
再開発による大規模な立ち退きで、置き去りにされた猫でいっぱいでした。次々に子猫が産まれ、あたりは50匹以上の猫であふれていました。
ある日、公園のゴミ箱に小さな子猫が捨てられていました。なんて酷いことをするんだろうと本当にショックでした。この出来事がきっかけで、可哀想な猫たちを何とかしたいと、地域の有志数名で地域猫活動を始めました。
以来20年間、毎日猫にエサを与えていますが、あと片付けやフン拾い、砂場の清掃など、1日も休まず続けてきました。
餌をやるなと怒鳴られた日々も長くありましたが、今、猫だらけの公園は、たった2匹になりました。何より、猫たちが平和に暮らしているのが嬉しいです。
これまで地域活動を手伝ってくれた子供たちも、みんな大人になり、時々「おばちゃん元気?猫も元気?」と公園にやってきます。
不幸な猫をなくしたいという想いが、地域の人々をつなぎました。花の町づくりやペットと高齢者の見守りへと発展しています。猫がいてもきれいな公園。猫にも人にも優しい町を作っています。
ノラ猫の不妊手術助成金
尼崎市では、のら猫専門病院等を利用すれば、ほぼ自己負担無しでノラ猫の不妊手術ができます。
不妊手術の関連費用として、抗生剤等投薬・麻酔・処置・入院・ワクチン・駆虫薬等の費用も助成されます。
助成金 ( 上限 )
- オス猫:1頭 9,000円
- メス猫:1頭 13,000円
3つの助成金申請
- 個人申請(個人で活動する場合)
市が開催する『野良猫不妊手術助成金交付説明会』に参加→参加証明書の交付 - 団体申請 (町内会、婦人会、防犯協会、管理組合で活動する場合)
団体の長と役員2名以上が、市が開催する『野良猫対策活動出張研修会』に参加→登録申請→審査→団体登録 - 住民グループ申請(同じ地域に居住する住民グループで活動する場合)
構成員3名以上が、市が開催する『野良猫不妊手術助成金交付説明会』に参加→登録申請→審査→住民グループ登録
【重要】市に登録された団体、住民グループには、動物病院が実施する野良猫の捕獲・送迎費用も助成されます。( 10,000円を上限、1団体5回まで )
詳しくは、尼崎市動物愛護センター
TEL:06-6434-2233
尼崎市野良猫不妊手術について
保護猫譲渡会
保護ねこ譲渡会&
預かりボランティア相談窓口
高齢飼い主の入院や死亡や多頭飼育崩壊などの様々な事情で行き場を失った猫たちがいます。 私たちの願いは一つ。
「保護猫たちが良き飼い主と巡り合えること」
行き場のない猫たちを救うため、協力団体と連携し、定期的に『保護ねこ譲渡会』を開催しています。各会場では、『預かりボランティア登録窓口』を設置し、保護猫の一時預かりをしていただける方を募集しています。
伊丹空港 保護ねこ譲渡会
大阪国際空港北ターミナル4F星の間
主催:teamねこのて
共催:保護猫ふみふみ/ペットアダプションセンター宝塚/C.O.N
保護ねこの譲渡会
尼崎市立中央北生涯学習プラザ
主催:保護猫ふみふみ
共催:teamねこのて/C.O.N
2020年12月 稲村市長との懇談の席で、猫の譲渡会を応援してほしいとの要望が出て、市長からは、官民協働を推進している生涯学習プラザでの開催することをご提案いただきました。
2021年、関係者の皆さんのご協力を得て、尼崎市の施設である生涯学習プラザでの譲渡会が実現しました。
2017年、私たちが譲渡会を始めたの頃は、猫を持ち込むことを許可してくれる施設はほとんどありませんでしたが、今、行政や様々な企業の皆さまの力強い後押しで、空港やデパート、公共の施設など多くの場所で譲渡会が開催できるようになりました。心から感謝するとともに、人と猫の共生が確実に進んでいることを実感しています。
譲渡会をはじめたきっかけ
私たちが譲渡会をスタートさせたのは2016年7月でした。尼崎市内で多頭飼育崩壊が相次ぎ、行き場のない猫がどんどん出ていたことがきっかけです。
それまでは、個人的に保護と譲渡を行っていましたが、行き場のない猫が次から次へとやってきたため、団体として初めて譲渡会を行おうということになりました。「多頭飼育崩壊」が、まだ世間ではそれほど知られていない頃のことでした。
高まり続ける譲渡会ブーム
最近では、多くの大企業も譲渡会を行うようになりました。「譲渡会」がメジャーなイベントになり、猫を飼いたいと思ったら譲渡会に行くという人も格段に増えました。「保護猫」というワードもすっかり世の中に定着しました。
しかし、本当にそうでしょうか?裏を返せば、譲渡会がこんなにも必要なほど、行き場のない猫があふれかえっているということだと思います。民間シェルターには、様々な事情で、猫たちが収容されてきます。
しかしそれでも、ボランティアのもとにやって来る猫は、助けを必要としている猫のほんの一部なのです。その存在すら知られず命を落とす猫もたくさんいます。
何か大きな相談事があるたびに、「ああ、あの子の里親さんが決まって喜んでいたけれど、私たちが知らなかっただけで、この子たちはその間も苦しんでいたんだな」と思い知ることになります。
たかが1匹、されど1匹
たくさんいる猫たちの中で、助けられた猫はわずか。その事実に向き合うと心身が凍りつきますが、やっぱりそこで思いなおすのです。1匹から始めるしかない、と。
「目の前の、少なくとも自分の手が届く子に最善を尽くそう。目の前の子を助けられないで、世の中にいる猫たちを救うことなんてできない」。そう自分自身を奮い立たせるのです。
目の前の1匹を全力で助ける
きっと世の中のボランティアの多くが、そう自分を鼓舞しながら懸命に取り組んでいると思います。
個人でできることはそこまで多くはありません。しかし、1滴1滴の雨粒が集まってやがて大河となるように、たくさんの猫を救うための道は、目の前の1匹を全力で助けることから始まるのだと思います。今は雨粒でも、熱意と志を持ち続けて大河を目指したいと思います。
そして、大河を目指す人がもっと多く集まれば、思っているより早く素晴らしい未来が訪れるかもしれません。それを強く願っています。